「クロエ」

監督:利重 剛
出演:永瀬正敏、ともさかりえ、塚本晋也、松田美由紀
[2001/日本/2h08]
公式ホームページ →→→http://chloe.acommy.com
2001年ベルリン国際映画祭コンペディション部門正式招待作品

〈ストーリー〉

クロエの胸に宿った睡蓮の蕾。
蕾の成長と共に、みんなの運命も変わっていく…。

プラネタリウムで働く高太郎(永瀬正敏)の前に現れたクロエ(ともさかりえ)。高太郎は繊細で不思議な雰囲気を持つクロエに魅せられてやがて結婚。沢山の友人に見守られ、幸せすぎる生活を送っていた。ところがある日、クロエが肺に“花の蕾”を宿す奇病にかかっていることがわかった。手術後摘出されたのは、可憐な“睡蓮の蕾”。その後、一時は回復を見せたクロエだったが、またしても新しい蕾が芽吹いていることがわかった。もう手術はできない。助かる唯一の方法は、蕾の成長を止めること。半ば諦めかけた時、意外な方法でその成長を止められることがわかった。しかし、その期を境に彼らを取り巻く環境が徐々に変化していく…。

ボリス・ヴィアン「日々の泡(うたかたの日々)」から
『クロエ』へ。利重剛監督待望の新作が完成。

『BeRLiN』以来6年ぶりとなる利重剛監督待望の新作『クロエ』。本作のモチーフとなったのは、“現代の恋愛小説の中で、もっとも悲痛”と謳われたボリス・ヴィアンの「日々の泡(うたかたの日々)」。利重監督は、この小説を現在の架空の大都市に舞台を移し、全く新しい作品として見事に映像化に成功させた。主演に永瀬正敏、ともさかりえを迎え、存在感を放つ塚本晋也と松田美由紀をはじめとする実力派が脇を固める。スタッフも共同脚本に『楽園』(00)で芸術祭優秀賞を受賞した萩生田宏治、撮影には『リリィ・シュシュのすべて』の篠田昇、音楽を担当する元プリンセス・プリンセスの今野登茂子が映画に寄り添うような調べを奏で、圧倒的な世界観を演出している。
“愛することとは?”“人にとっての幸せとは?”といった、シンプルで普遍的なテーマを私達に投げかけ、2001年ベルリン国際映画祭を始めとする各国のマスコミから絶賛を浴びたことも記憶に新しい。

世界中で熱狂的なファンが存在する天才ボリス・ヴィアンとは…

ボリス・ヴィアンはエンジニアとして勤務しつつ、詩人・小説家・劇作家・俳優・作曲家・歌手・ジャズトランペッターなど様々なジャンルで活躍した才人。偽名で書いた『墓に唾をかけろ』が訴訟の末、発禁処分になるなどセンセーションを巻き起こすが、生前に作品が正当評価されたことはなかった。1959年、映画『墓に唾をかけろ』の試写中に心臓発作で死亡(享年39歳)。彼の死後、サルトル、ボーヴォワール、コクトーといった作家たちの支持によって、全作品が復刊。今もなお、国境を超えて熱狂的ファンが存在する。なお、本作品はボリス・ヴィアン夫人によって映画化が許諾された。