【スタッフ】

監督+脚本:青山真治
原作:徳田秋聲
(「挿話」「籠の小鳥」「町の踊り場」「旅日記」)
プロデューサー:堀越謙三/植村まゆみ/土肥悦子
音楽:長嶌寛幸 (Dowser)  
撮影:たむらまさき
録音:菊池信之
美術:林千奈
編集:大田和志
助監督:大田和志/原田健太郎
装飾:松葉明子
衣裳:小林身和子/尾谷幸子
ヘア・メイク:小坂明美/中山尚美
プロダクション・マネージャー:大野敦子
制作担当:田中深雪/嬉野智裕
製作:ユーロスペース/竪町商店街振興組合/シネモンド

 

【キャスト】
徳田秋聲:嶋田久作
お絹:とよた真帆
辰之助:ナシモトタオ
おひろ:西條三恵
順太郎:宮上一樹
歌手:ケイコ・リー
料亭の女将:北村純子
女中:東千絵

〈キャスト・プロフィール〉

嶋田久作(徳田秋聲)
1955年4月24日、横浜市生まれ。
88年『帝都物語』で鮮烈な映画デビューを飾る。その特異なキャラクターは、日本映画史に多大な印象を与えた。
主な映画出演作品に、『帝都大戦』(89)、『ノーライフキング』(89)、『病院へ行こう』(90)、『大誘拐』(91)、『ハッピーエンドの物語』(91)、『僕らはみんな生きている』(93)、『さまよえる脳髄』(93)、『屋根裏の散歩者』(94)、『怖がる人々(第5話『五朗八航空』)』(94)、『ユメノ銀河』(97)、『SADA』(98)、『D坂の殺人事件』(98)、『元気の神様』(98)、『風の歌が聴きたい』(98)、『あの、夏の日/とんでろじいちゃん』(99)、『さくや 妖怪伝』(00)、『修羅雪姫』(01)、『劇場版 ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET』(02)、『竜馬の妻とその夫と愛人』(02)、『最も危険な刑事まつり/ウルトラマン刑事』(03)、『ドラゴンヘッド』(03)などがある。

とよた真帆(お絹)
1967年7月6日、東京都生まれ。学習院高校在学中にモデル活動を開始し、86年、アニエスb.のモデルとしてパリコレクション等に出演。23歳で女優業に転身し、ドラマ「愛しあってるかい」(CX/89)でデビュー。以降、「SWEET SEASON」(TBS/98)や「億万長者と結婚する方法」(NTV/00)など、テレビドラマにレギュラー出演。99年からはTBS朝の情報番組「エクスプレス」でキャスターを1年間務める。また、特技のカメラを生かして写真集「使者」を発表したり、趣味である絵画の個展を開催するなど、多彩な活躍を続けている。
主な映画出演作に『現代任侠伝』(97)、『極道の妻たち―決着―』(98)、『9・NINE』(00)、『極道の妻たち―地獄の道連れ―』(01)、『ピカレスク』(02)、そして青山真治監督の『月の砂漠』(01)などがある。

西條三恵(おひろ)
1976年8月6日、兵庫県生まれ。96年に宝塚歌劇団に入団し、月組に配属される。翌年「エル・ド・ラード」で舞台デビュー。以降「ブエノスアイレスの風」、「シンデレラロック」、「ゼンダ城の虜」、「血と砂」など数々の作品でヒロインを務めたほか、99〜00年にかけては北京・上海・ベルリンなど海外公演にも参加する。2001年には宝塚歌劇団年度賞新人賞を受賞。同年に宝塚退団後、舞台「新版・四谷怪談〜左眼の恋」、「THE TAP SHOW “Shoes ON!C”」やテレビドラマなどへ出演。本作が映画初出演となる。

ケイコ・リー(ジャズ・ボーカリスト)
21歳から独学でピアノを弾くようになりジャズやシャンソンのジャンルでプロピアノニストとして活躍。その後、シンガーへ転向。存在感のあるヴォーカル・スタイルとディープなヴォイスで注目を集め、‘楽器と対等に渡り合える歌手’と共演のミュージシャンからも評判を呼ぶ。95年、ケニー・バロン(P)がサポートした「イマジン」(ソニーミュージック)でCDデビュー。96年にはリー・コニッツ(SAX)も参加した「キッキン・イット」を発売。同年、ヨーロッパでのライブをロンドンとパリで開催。翌97年には、スイングジャーナル誌人気投票の日本ジャズメン女性ジャズ・ボーカル部門で第1位に輝く。98年には、香港で5日間ライブ(香港JazzClub)を実施。さらに北京ジャズ・フェスティバルに出演し、国際的にも高い評価を得る。同年には、スイングジャーナル誌主催第31回ジャズ・ディスク大賞ニュー・スターを受賞。また、彼女の歌う「What a Wonderful World」がCFイメージソングに起用され、全国的な反響を呼ぶ。99年、ニューヨークでのレコーディングのウィズ・ストリングス・アルバム「デイ・ドリーミング」をリリース。ケニー・バロン(P)、ロン・カーター(b)、グラディ・テイト(ds)、ジミー・ヒース(ts)ら一流のミュージシャンがサポートした。同年の第33回ジャズ・ディスク大賞では国内部門のボーカル賞を2年連続で受賞。一方、香港・台湾・韓国など広くアジアで人気を博し、99年5月には初のべストアルバム「This is Keiko Lee」を発売(日本を除く)。2000年9月、イタリア・ローマでレコーディングした初のピアノ弾き語りアルバム「ローマからの手紙」をリリース。深みを増したディープ・ボイスと重厚なタッチのピアノで20世紀の名曲の数々を歌い、高い評価を得る。同作品で第34回ジャズ・ディスク大賞の日本ジャズ賞を受賞。2001年5月には、スイングジャーナル誌の日本ジャズメン読者人気投票女性ボーカル部門で5年連続第1位を獲得。同年7月にはポップでソウルな感覚の中 にジャジーな魅力を含むNEWアルバム「Keiko Lee Wonder of Love」をリリース。現在、ジャズ・シーンにおける国内の人気・実力ともにNo.1のボーカリストとして、海外でも高い評価を得る一方、精力的な音楽活動を展開している。本作では、ライブシーンでも使われた、金沢に現存する老舗ジャズ喫茶‘もっきりや’との縁もあり、映画は初出演。

ナシモトタオ(辰之助)
映像作家。93年までミュージックプロモーションビデオやJリーグオフィシャルビデオの制作に拘る。その後、写真家として数々の個展、グループ展等を開催。その他、路上や映画館でのスライドパフォーマンスや演劇・舞踏とのコラボレーションを行なう等、枠にとらわれず精力的に活動している。
一方、新潟市内における民間主導型のフィルムコミッション「にいがたロケネット」設立や「にいがた国際映画祭」「にいがた映画塾」に参加。

〈スタッフ・プロフィール〉

監督+脚本:青山真治
1964年7月13日、福岡県北九州市門司生まれ。
名実ともに現在の日本を代表する若手映画監督の1人。高校時代はロックバンド“UP BEAT UNDERGROUND”を結成するなど音楽に明け暮れる。立教大学入学後、8mm映画の製作を始め、『夜までひとっとび』『赤いマフラー』等を発表。在学中に蓮實重彦の「映画表現論」の講義に大きな影響を受ける。95年Vシネマ「教科書にないッ!」でデビュー。その後ブレイク前の浅野忠信主演『Helpless』で劇場映画デビューを飾り、この衝撃的な作品はトロント、トリノを初めとし、多数の海外映画祭に出品され、青山真治の名前を世界に知らしめた。以後『チンピラ』(96)、『Wild LIFe』(97)、『冷たい血』(97)、そして『SHADY GROVE』(99)とハイスペースで作品を発表。36歳のとき、第53回カンヌ国際映画祭にて、初出品した『EUREKA(ユリイカ)』(00)が国際映画批評家連盟賞と世界キリスト教賞のグランプリをダブル受賞し、その翌年『月の砂漠』が2年連続でカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選ばれるという快挙を成し遂る。永瀬正敏主演の人気シリーズ「私立探偵濱マイク」のテレビ版の一話として監督した「名前のない森」(02)はベルリン映画祭で上映され好評を博した。2003年には本作の他にも『月の砂漠』、りんけんバンドの歌姫・上原知子を追ったドキュメンタリー『あじまぁのウタ・上原知子―天上の歌声』(02)が相次いで公開される。
映画以外では小説『EUREKA』(角川書店)で第18回三島由紀夫賞を受賞したほか、批評集「われ映画を発見せり」(青土社)、『Helpless』の小説化(「新潮」2002年4月)を発表。また、映画美学校において講師をつとめるなど精力的に活動を続けている。
フィルモグラフィー
1995年  「教科書にないッ!」(ビデオ)
1996年  『Helpless』
    「20YEARS」(ビデオ・オムニバス『セレブレーションシネマ101』の一編)
     『我が胸に凶器あり』(ビデオ)
     『チンピラ』
1997年  『Wild LIFe』
     『冷たい血』
1998年  『SHADY GROVE』
1999年  『EM_エンバーミング』
     「AT THE EDGE OF CHAOS」(ドキュメンタリー、ビデオ)
2000年  『EUREKA(ユリイカ)』
     『路地へ 中上健次の残したフィルム』
2001年  『月の砂漠』
2002年  「名前のない森」(TV版「私立探偵濱マイク」の一話)
     『あじまぁのウタ 上原知子―天上の歌声』
2003年  『軒下のならず者みたいに』(03年チョンジュ映画祭上映)
      『秋聲旅日記』
      『レイクサイド マーダーケース』(製作中)

撮影:たむらまさき
1939年、青森県弘前市出まれ。80年代初め頃、人形アニメーション映画の制作に携わったのをきっかけに、映画キャメラマンを志向。旧岩波映画製作所での撮影助手時代を経て、故小川伸介監督とのドキュメンタリー映画の諸作、『竜馬暗殺』(74・黒木和雄)、『さらば愛しき大地』(82・柳町光男)、『ションベンライダー』(83・相米慎二)、『火まつり』(85・柳町光男)、『ウンタマギルー』(89・高嶺剛)などが代表作。近年は『Helpless』(96)、『SHADY GROVE』(99)、『路地へ〜中上健次の残したフィルム』(00)、『EUREKA』(00)、『月の砂漠』(01)、『あじまあのウタ 上原知子―天上の歌声』(02)などの青山真治作品をはじめ、諏訪敦彦『2/デュオ』(97)、河瀬直美『萌の朱雀』(97)、黒沢清『蛇の道』『蜘蛛の瞳』(ともに97)など多くの作品で若手・中堅監督との注目すべきコラボレーションを実現させている。また、今冬公開予定の『美しい夏キリシマ』(黒木和雄)の撮影も務めている。

録音:菊池信之
1945年、栃木県出まれ。69年より、故小川伸介監督の小川プロに所属しドキュメンタリー諸作に参加したのち、フリーに。主な作品に『エンジェルダスト』(94・石井聰互)、『書かれた顔』(95・ダニエル・シュミット)、『TOKYO EYES』(96・ジャン・ピエール・リモザン)、『M/OTHER』(99・諏訪敦彦)、『大いなる幻影』(99・黒沢清)、『路地へ〜中上健次の残したフィルム』、『EUREKA』(ともに00・青山真治)、『H Story』(01・諏訪敦彦)などがある。